2008年2月28日木曜日

お笑いからも勉強してみよう

ラサール石井さんが書いた「笑いの現場」という本が面白かったので、ちょっとだけ、中身をご紹介。


観客というものは、贅沢で飽きっぽいものだ。「よくできたお話」にすぐ飛びつくものの、何度も見聞きすればそれに飽きてしまう。そして「いまそこで起こったこと」の面白さのほうに惹かれていくのだ。これを物語とドキュメントという言葉に置きかえれば、物語の力は、時には現実を超越して我々に夢や感動を与えてくれる。しかし、一度知ってしまった物語は、よほどのことがない限り、何度も見聞きする度にそのインパクトは薄れていく。その点ドキュメントは現実であるだけに常に新鮮というわけである。
しかしまた反面、現実であるだけにドキュメントは生のままであり、何のフィルターも通していない。無加工であり、無批判の状態である。それがまた過剰になると、人々は夢のある物語を待ち望むようになるのである。

ま、改めて、という感じで、特段新しいことを言ってるワケではありませんけどね。


もう一つ、こちらは、ラサール石井がビートたけしを評して。


笑いというものはそもそもそれまでの雰囲気や既成の概念を壊すことであるといえる。誰かがそれまでの常識を壊す。そこに笑いが起きる。そしてそれが新しい笑いの常識になる。そしてまた新たな誰かがそれを壊すのである。

もちろん破壊するだけでは笑いは来ない。もし破壊するだけでいいなら前衛芸術はみな笑いの渦と化してしまう。どう壊すか、そして壊したことをどう表現するか、それがセンスなのである。たけしさんはこのセンスにかけて天才だといえる。



他にも諸々、日本のお笑いとお笑い史に興味がある方には、お薦めの内容の本です。なんつっても、平易な言葉で話してくれる貴重なインサイダーですからねぇ。ラサール石井という人は。
とんねるずやダウンタウンについての記述なんかは、とても面白い。

もっと、“お笑いの人たち”(爆笑問題とかさまぁ~ずとかも、ね)の評論に絞った感じの本とか、書いて欲しいなぁ、なんて。

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