2013年1月23日水曜日

「ロンドン・ヒート」を観た

渋谷の、かつてシネカノンの劇場だった、ヒューマントラストシネマで、「ロンドン・ヒート」を観た。

なんでも「未体験ゾーンの映画たち2013」という特集上映だそうで、その中のひとつ、です。
テアトルシネマの会員割引で、1000円。(一般の値段も、1200円でそうで、良心的な価格になっております。)


さて。
原題は「The Sweeney」。警察の特殊部隊みたい組織の名称だそうで(SWATみたいなモンかな?)、そういうテレビシリーズが昔あって、それのリメイク、ということでもあるみたいです。

邦題はズバリ、パチーノデニーロの名作「ヒート」からの流用と思われまして、実際に作中でも、「ヒート」を明らかに意識した、ライフルと強奪したカネが入ったバッグを背負った犯人たちとの、街中での銃撃戦のシークエンスがあります。(長回しではない)


この作品の面白いポイントは、かなりアメリカ(ハリウッド)ナイズされた製作スタイルでありながら、舞台がロンドンであり、なおかつそれをとても巧く活かしている、という部分。
市街のゴミゴミした感じとか、雰囲気が凄い出てて、良いです。

あと具体的には、画面の色味のトーンとして、青味が強調されて、それが「いかにもロンドンっぽい」という感じで。
(ちなみに、この色味の感じは、「CSI:NY」でも採用されていて、個人的には好きなテイストでもあるんですけど。)


もう一つポイントは、俳優陣のキャラ立ちが物凄いくっきりしてて、それが、ストーリーを追っていくのに、意外と貢献している、というか。
結構登場人物が多いんですよ。関係も、何気に複雑だし。

その部分を、割と明快なキャラ立ちで、ザクザクッと見せてくれる。
良いと思いました。

主人公の、チームのリーダーなんて、見た目の、というか、頭部と胴体のバランスに因る“異物感”とか、白いスニーカーとか、もう明らかにヘンなんですけど、でも、それぐらいでちょうどいいか、みたいな感じに段々なってきたりして。

ロシュディ・ゼムもそうですけど、そのくらいの方がいいんでしょうね。



で。
ストーリーの内容は、まず一つ目のラインが、ある強盗事件が起きて、その事件の犯人を追う、というもの。
意外とこのシークエンスの“謎解き”みたいなのが面白くて、良く出来てるな、というか、ここも作品に引き込まれる一つの要素でもありました。

もう一つが、警察内部の、内務監査とのやり取り。
これには、チーム内の人間関係(不倫云々)みたいなのも絡んで、こちらも、魅力的なキャラクターの力もあって、ストーリー上の推進力は、強いです。

犯罪者との闘い、内務監査との対立、(主人公の恋愛も含んだ)チーム内の人間関係、という、三つのラインが、絡み合いながら、進んでいく。

この三つのラインが、とても「効率よく」存在している。

それぞれのラインが、独自にストーリーをドライブしていく力を持っているワケですけど、そこに、結構派手なアクションも盛り込まれていて、テンポよく、グイグイ進んでいきます。

面白いです。



実はちょこちょこと粗みたいなのもあったりするんですが、まぁ、力技というか、勢いでグイグイ持っていってしまう、と。
それでいいんですよ。この作品は。



うん。



あと、凄い派手なんですよ。とにかく。
カネがかかってる。

セットなんか凝っててオシャレだし、車なんかバンバン潰すしひっくり返すし、図書館の中のシーンなんて、蔵書がバカバカぶっ飛ぶしで。
そういう部分も堪能できます。



ヒロインが美形でセクシー度の高さが素晴らしい、というのもポイント。



という感じで、ただの“羅列”な感想になってしまいましたが(あと、擬音が多い)、とにかく大満足。

スクリーンが小さなシアターだったのが、ちょっと心残りでしたが、こういう、しっかりと手間隙かけられたアクション作品を観れたのは、良かったですね。ホントに。



機会があれば、DVDででも、ぜひ。
お薦めです。