2008年9月4日木曜日

「フライト・プラン」を観る

ジョディ・フォスターの「フライト・プラン」を観る。

いやぁ、なかなか、いい作品でした。


実は、すげぇ早い段階で「ん? ネタを見破ってしまったかも・・・」と思っちゃったりしたんですが、実は、それも“トリック”だった、と。
というか、普通に、まんまと引っ掛ってしまいました。完全に作り手の“カモ”でしたね。そういう意味では。
最初の30分が、「あれは実はネタ振りだったんだな」と、思わせておいて、そのネタが、なんとストーリーの中盤に(つまり、かなり早い段階で)明かされてしまう、と。そこにモロに引っ掛ったのが、俺です。


う~ん。
1回ひねったのを、もう一度ひねったら、ごくごく普通のサスペンスになってる、という。

いや、面白かったですよ。その“ひねり”に全部引っ掛ったワケですからね。


ただ、その、ラストはちょっと間延びです。色々盛り込みたかったんでしょうが。
撃ったり走ったりじゃなく、例えば機長と航空会社のやり取りとか、ベルリンで何か動きがある、とか、そういうところを描いて欲しかったかな。
“交渉”の部分を。

あと、後から思うと、“動機”も、もっと深くてもいい気もします。ジョディ・フォスターの立場に関する怨みつらみ、とか。その、ジョディ・フォスターは「飛行機を作る会社」の人間なワケで、そこを上手く利用した動機付けって、あると思うし。


あと、良かったのが、客室乗務員の皆さんの描写ですね。みんな、美人。そして、慇懃無礼な感じ。スマした感じで。
CAさんのあの雰囲気って、個人的に大好きなモンで。えぇ。


ストーリーの中で、アラブ人に対する人種差別をきっちり織り込んでくるのも、結構ポイント高いです。
いかにもアメリカ人という感じの、肥満体の男が出てきたりして。
ラストで、もうちょっと、その部分をしっかり回収しても良かったんじゃないかと思うんですが。

ラストについては、機長とかCAさんとかとも、もうちょっとなんかあってもいいと思ったかな。
まぁ、その辺は、好みの問題ですけど。
最初に出てくるCAさんが、見たことがある女優さんだったので、ちょっと目が行き過ぎましたね。もうちょっと重要なキャラクターかと、勝手に思ってました。勘違い。



映像は、最初から、とにかく硬質な感じ。特に冒頭は、無人の地下鉄や、地下鉄の駅。それから、霊安室と棺の感じ。それを、最初に飛行機の機内を映すショットに引っ張ってきて、これから起きることを暗示している、という。
まぁ、上手ですよね。
で、ラストのホンの5分だけ、暖色系の光で画を作る、という感じで。
あの、ラストの空間の雰囲気が良かっただけに、もうちょっとあの場面を魅せて欲しかったな、と。繰り返しになりますが。



まぁ、でも、ああいう硬質な空気感に、ジョディ・フォスターは似合いますねぇ。

うん。いい作品でした。

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