2008年9月14日日曜日

「ワイルド・チェイス」を観る

金曜日の深夜にシネマ・エキスプレスで放送してた「ワイルド・チェイス」を観る。主演はジェイミー・フォックスとデヴィッド・モースで、2000年公開の作品なんですが、日本では劇場未公開みたいです。原題は「BAIT」。


劇場未公開というアレでも察せるとおり、いわゆるB級アクション映画ですね。

原題の“bait”というのは「釣り餌」という意味の言葉らしく、実はこれが、なかなかいいタイトルなんですよ。実は。釣りに使うルアーとか、そういうモノだと思うんですが、あれって、魚の口に引っ掛るワケで。
それが、結構、内容にマッチしてるところがあったりして。

で、内容は、J・フォックスが、いわゆる“コソ泥”。で、デヴィッド・モースが、財務省の捜査機関のエージェント。
これにもう1人、財務省の金塊を狙った強盗犯というのが登場して、三つ巴になるんですね。この強盗犯というのが、クラッキングを武器にした“凶悪犯”かつ“大強盗”で、D・モースがこいつを捕まえる為に、J・フォックスが“釣り餌”に使われる、と。

いや、結構いいアイデアだと思うんです。よく出来た設定だなぁ、と。

凶悪犯対エージェントたちの“空中戦”と、地べたを這い回っているフォックスの“地上戦”の、両方が上手い具合に描かれてて。

フォックスの演じるキャラクターが、ちょっとコミカル過ぎて、そこが鼻につきますけどね。エディ・マーフィのエピゴーネンを狙い過ぎ、という感じで。
フォックスは、もうちょっとシリアスな、渋みを抱えた役どころの方がしっくりくる感じがします。デンゼル・ワシントンとウィル・スミスの、ちょうど中間ぐらい。
まぁ、2000年の作品ですから、まだフォックスも若かった、と。この作品では、あんまり良くないですね。


ただ、シナリオは、ホントに上手だと思いました。
“釣り餌”が市警に捕まらないように四苦八苦したり、生活費を工面したり、それがバレた後に、フォックスが逆に罠を仕掛けたりして。
クライマックスの対決するシークエンスのアクションは、個人的には蛇足って感じでしたけどね。引っ張り過ぎで。でも、B級アクションですからね。これは、しょうがないっス。

あと、捜査本部がちょっと豪華過ぎ。WTCにあるっていう設定も、今となっては、複雑な気持ちにさせちゃうしね。


あと、デヴィッド・モースの、登場していきなりブチ切れる演技は、ちょっとびっくりしました。「え? 今回ってそんなキャラ?」みたいな。「クロッシング・ガード」の彼が印象強過ぎて、どうしても、ああいう“苦悩”を抱え込んでる、みたいな想像をしてしまうので。
この作品では、思いっきり逆の方向に振り切ってます。さすがに、上手ですけど。



それから、クラッキングする時の描写が、なんかウィザード形式になってて、面白かったですね。コンピューター側が女性の声で質問してきて、使用者(凶悪犯)が、それに答えていって、コンピューターを操作する、という。
その、クラッキングという、映像的に表現するのがちょっと難しいアレを、行為自体を上手に説明しつつ、ちゃんと成立させているな、と。これは、参考になります。



というワケで、B級アクション映画ながら、楽しめた佳作でした。


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