2007年8月2日木曜日

「ルネッサンス」を観た

一部で話題になってるっぽい、フランス産のアニメーション「ルネッサンス」を、渋谷のシネセゾンにて、観ました。

これは、確かテレビのCMか、ゾディアックの時の予告編か、どっちかで、チラッと映像を目にしてて、「お、これは!」と思ってたんですよね。それで、たまたまタイミングが合ったので。

まぁ、どんなテクノロジーもそうなんだろうけど、CGでもなんでも、技術が発達すると、その技術を使ってなにかやりたくなるのが人情ってもんで、それが「シン・シティ」なんだろうし、この「ルネッサンス」なんだろうな、と。IBMがサポートしてるっていうクレジットも入ってたしね。まぁ、IBMとしたら、至極まっとうなお金の使い方なんじゃないでしょうか。

さて、作品の雰囲気ですが、なんていうか、フィルムノワールそのまんま、と言っていいと思います。フィルムノワールの空気感を、近未来を舞台に再現してみました、という。
ただ、ストーリー的な目新しさは、全くナシ、という感じ。なんで、このストーリーを、この技術で語る必然性があんまりないような。
技術というか、要するに、わざわざコンピューターで作ったモノクロの画で、ということなんですが。CGメインなのか、丸まるアニメーションなのか、正直良く分かってないんですが、ま、どっちでも、イマイチ、と。
ちょいちょい、グッとくる瞬間はあるんだけどねぇ。だけど、ホントにちょっとしかなかったかな。
ハードボイルドに語りたいなら、もっと他にあるんじゃねぇの、と。生意気ですが。

押井守の“光学迷彩”と“アヴァロン”っていう単語。アキラの“小さな老人”、などなど、元ネタが俺でも分かっちゃうって、ちょっとアレだと思うしね。

それから、ディスコで流れてる音楽が、全然近未来なサウンドじゃないんだよねぇ。まぁ、実際、その時代にどんな音楽で踊ってるかどうかは誰も分かんないんだろうけど、もうちょっと“それっぽい”音楽でも良かったんじゃないんでしょうか。
あ、あと、カーチェイス・シーンの音楽は、まんま007だし。ワザとなんだろうけど、それもイマイチ。

あとちょっと思ったのは、テンポが遅い感じがするんだよね。これは、ちょっと個人的な考えなんだけど、やっぱり、画面に映っている情報量が少ないからじゃないか、と。
実写と比べるとでもそうだし、いわゆる普通のアニメーションと比べても、そうなんじゃないかな。ちょっと、確かめようがないアレなんだけど。
だから、脳ミソの情報処理能力が余っちゃってて、ストーリーのテンポに全然追いついてる、というか。実写なら全然成立してるテンポでも、ちょっとスローに感じてしまう。
多分、実写なら、普通のテンポなんじゃないかな。シナリオの分量的には。ただ、それをそのまんま、このスタイルの映像で作ったら、スローテンポな感じになっちゃった、と。
ま、俺の勝手な推察ですが。

なんていうか、もうちょっとエッジの効いた作品だろうと、相当期待度が高かった分、肩透かし度も高くなっちゃいましたね。
いわゆる、普通の佳作です。偉そうに言わせてもらえば。
音楽変えるだけで相当変わると思うなぁ。もっと振り切っちゃっても良かったんじゃないの、と。
まぁ、こんな感じでした。


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