2008年3月24日月曜日

「イーオン・フラックス」を観る

シャーリーズ・セロン主演のSFアクション、「イーオン・フラックス」を観る。

ウィキペディアによると、この作品は、もともとMTVの、10個のエピソードで出来た短編アニメ作品だったそうで、その作品内では「主人公イーオンは毎回ラストに死んでしまう」という設定だったんだそうです。
正直、この“設定”にぶっ飛んじゃったんですけどね。「毎回、ダウンロードすんのか?」と。
ま、エヴァの綾波レイと同じなんですけどね。


さて、“本編”の感想。
冒頭は、いきなりS・セロンの肢体を包むフェティッシュな衣装に目を奪われちゃって、まぁ、それはそれで嬉しいんですけど、なんつーか、“B級”感が、ね。漂っちゃうっつーか。
「お色気で推しちゃっていいですか?」みたいな製作側の空気を感じちゃったりして。


舞台設定は、未来の、ユートピア(≒ディストピア)内でしか人間は生活できない時代。で、テクノロジーを梃子に市民を独裁支配する“支配者一族”と、それに対抗する“抵抗組織”の戦いを描くんですが、まぁ、この手のSFではおなじみの構図ですな。

ちょっと面白いと思ったのは、支配者側が合議制という形をとってて、つまり、一応なんだけど、民主主義を採用しているのに反して、抵抗組織側は、権威主義的・独裁主義的に描かれているんです。
ま、これも最近の主流と言っちゃえば、そうなんだけど、支配者と抵抗者の対立構造の中に、組織対個人の対立構造を、アングルを90度変えて、交差させる状態で置く、と。

ストーリーが進むにつれて、支配者側でも内紛があって、お約束的に、“悪い王子様”によって、“良い王子様”が組織から追われるワケですね。で、同じように抵抗組織から追われた主人公と共闘する、という。
そういう構図は、ちゃんと描かれていました。



それから、もう一つ面白かったポイントは、“液体”に色々な機能を持たせている、ということ。組織からの極秘メッセージも、カプセルの中の液体が胃の中で消化され、それによって、脳内にバーチャル空間が立ち上がる、という段取りになってて。
生体コンピュータみたいなイメージだと思うんですけど。
これは面白かったですね。



個人的に凄いタイムリーだったのが、“記憶”についての解釈。
クローンが記憶を引き継いでいく、という。DNAに記憶が残っているのだ、と。
ちょうど、DNAがどうたらこうたらっていう本を読んだばっかりだったのと、別のもう一つのブログでも、似た内容のトピックを書いたばかりだったので。



ストーリーは最後に、人類は“滅び”を受け入れるべきだ、みたいなことをサラッと語ったりするんですが(あまり強調はされません。おそらく興行上の理由から)、その辺は実は、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」(漫画版)の結末に良く似てるんですよねぇ。
クローンによって命を継いでいくことを拒否するのと、ナウシカでは、書き換えられた自分たちのDNAを“滅びの宿命”として受け入れろというのと、まぁ、同じだよなぁ、と。主人公が戦うヒロインだっていうのも一緒なので、余計に“似てる感”が強まったりして。

いや、パクリだっていうことではありませんよ。違うところは一杯ありますから。
似てるってだけです。


ま、そんなこんなで、色んな分析をしながら観ましょう、という作品ですかねぇ。
ストーリーの運びや、アクションや、そもそものCGとかは結構荒っぽかったりしますが、まぁ、S・セロンがマブいんで、それもまた良し、という感じっス。




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