2007年11月10日土曜日

「普通の人々」を観た

昨日、昼間っから「午後のロードショー」で観た、「普通の人々」の感想でっす。

素晴らしい。
80年に製作ということですから、もう27年前ですか。「24」のジャックの親父が出てたんですが、まだ若かったですからねぇ。顔そっくり。
ちなみに、オレにとっては、キーファー・サザーランドは、「スタンド・バイ・ミー」の“エース”です。
「スタンド・バイ・ミー」大好きなんです。

いや、それはさておき。

内容は、とにかくシンプル。
“家族”について、ですね。
この作品はロバート・レッドフォードの、監督としては第一作目ということで、ま、後々にもずっと、“家族”をテーマに作品を作っていきますよね。ブラピのやつとか。
レッドフォードにとっては、大きなテーマなのでしょう。三宅さん風に言うなら、“作家のテーマ”。

派手な仕掛けもなく、ただただシンプルにキャラクターを追っていく演出は、なんていうか、ホントに今だから凄みを感じる、という。ある意味では力技なんですけどね。


きっと、シナリオがいいんだと思います。ヒューマンドラマにありがちな予定調和的な展開にもならず、かといって奇をてらった展開でもなく(もっとも、製作・公開当時にはどうだったのかは分かりませんけど)、しかしそれでも物語にしっかり引き付けて離さない、という。

主人公の繊細な感情をしっかり描き切る演出も凄いんですけど、俺はどっちかと言えば、脚本の力強さが一番印象に残る感じですかね。


「家族とはこうあるべき」という価値観が、ある悲劇によって揺さぶられ、結果、最終的にその家族の絆というのは崩壊してしまうのですが、その中にも、“尊敬”というモノで回復出来る関係性があるのだ、という。
伝統的な“良き価値観”としての「家族としてのあるべき姿」を、いわゆる“個人主義”が揺さぶっている、というのが作品の背景にある構図だと思うんですね。
で、その、“家族”という、共有していた、ある意味では“幻想”だったものが崩壊した後も、“個人個人のお互いに尊敬し合う気持ち”で、また関係性を構築出来るのだ、というメッセージだと思うんですが。
個人主義的な社会でも、人間同士の確固とした“繋がり”というのは構築出来るのだ、と。
ま、人間性の“成熟”が必要なことは間違いないんですが。その、“成熟”していく過程を描いた作品、と言えるのではないか、と。
ま、深読みですが。
ざっくり言えば、“親離れ子離れ”の物語です。ただ、そこに深い感動を与えてくれる映画である、と。そういうシナリオなんですな。


ちなみに、主人公のガールフレンド役の女の子、めちゃめちゃカワイイです。観たことある顔だけど、誰だろ。



あ、あと、精神分析医のカウンセリングのシーンはちょっと参考になったかも。
“精神科医の治療”云々というアイデアを一つ暖めているので。
ま、参考にするという意味では、近いうちにまた観直したいですな。

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