2007年11月27日火曜日

「SIN CITY」を観る

ロバート・ロドリゲス監督の「シン・シティ」を観る。

アメコミが原作ということで、まぁ、その原作者も監督としてクレジットされているワケで、“原作に忠実に”ということなんでしょうか。
その原作に馴染みがない者としては、その辺のアレはちょっと分かりませんが。
しかし、まぁ、いわゆる“一般ウケ”はまったくしない作品でしょうな。

良かったですけどね。

“盟友”タランティーノの「パルプ・フィクション」とシナリオの構造が似てたりして。
あの、エピソードの並べ方というか、時間軸を入れ替える、というのは、なにかお手本みたいのがあるのかねぇ? 流行りってワケでもないと思うんだけど。


内容ですが・・・。

架空の都市の、社会の最底辺にいるクズたちの物語、ですよね。
犯罪者、悪漢、飲んだくれ、卑劣漢、裏切り者。女性は、娼婦と少女しか出てこないし(あ、一番最初に殺される女性は違うか)。

そういう意味では、フィルム・ノワールではなく、ピカレスク・ロマン、というヤツでしょうか?

権力と権威に守られている“本当の悪”を、暴力という手段によって、ピカレスクが討つ、という。
ま、そういう、ある種の伝統的な物語を、最新の技術、超豪華なキャスト、ロドリゲスならではのスピード感と美学で描く、と。そういう意味では、全然成功している作品だとは思いますけど。

ちょっと話が逸れますが、この、“娼婦と少女”というのは、興味深いですよね。
例えば、日本のオタクのメンタリティとは、ここはまったく異なるので。
個人的には、これは、ロドリゲス流のフェミニズムだと思うんですよね。個人的に、こういう形のフェミニズムって、全然アリだと思ってるんで。
“娼婦”という職業に敬意を払えば、こうなる、というか。ある意味での“自立”ですから。
女性に対して、ダッチワイフ的にしか価値を見出せないオタクなんかよりは、全然健全だし、なんていうか、倫理的に正しい、というか。


さて、とにかくこっちが話題になった、その、全面CGで作られた画面ですよね。
フランス産の「ルネッサンス」よりは全然良かったですよねぇ。画面の密度もそうだし、なんていうか、リアリズムを求めていない、という意味でも。コミックの世界を忠実に再現する、という意図が、いい方向に働いてる、というか。
バットマンのゴッサム・シティとよく似てました。アレもアメコミだしね。

ロドリゲスは、それこそ、スパイキッズで、CGを勉強したのかもしれませんね。
キャラクターの肉体の動きを、CGやらVFXやらで“殺さない”という部分は、ホントに上手だなぁ、と。
ロドリゲスって、元々はホントに“肉体派”ですからねぇ。

キャラ的には、ジョシュ・ハートネットのキャラが一番良かったです。カッコよかった。


ま、感想はそんな感じかな。

個人的には、こんな感じの手法で、「ジョジョの奇妙な冒険」を映画化して欲しいです。いま、なんか、あちこちで盛り上がってるし。






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