2010年1月8日金曜日
「フェイクシティ」を観る
エルロイつながりってことで、キアヌ・リーブス主演の「フェイクシティ ある男のルール」を観る。
去年の「観たかったんだけどグズグズしてるうちに公開期間が終わってしまっていた」作品のひとつ、です。
エルロイは、原案というか、脚本に参加してるってことで、クレジットにも3人いるライターの筆頭に名前が出ています。
原題は「Street Kings」。
複数形なのがポイントだと思うんですが、いまいちしっくりしませんね。邦題はもっと分かんない。
で、結論を先に書いてしまうと、「う~ん」と。
イマイチ。
公開時にもそんなに評価されてないっぽかったんで、まぁ、それが正当な評価なのかもしれません。
ストーリーは、エルロイ信者にはお馴染みの、警察組織内部の抗争(権力闘争、出世争い)と、その組織の腐敗っぷりを背景にして、キアヌが演じる刑事がある事件を追っていく、と。
ちょっと中途半端なんですよねぇ。
最終的に“黒幕”と対決するワケで、一応ストーリーもそこに向かっていくんですが、登場人物が中途半端に少ないため、だいたい見当がついてしまう、というのと、“黒幕”の操作によって主人公が間違った方向に進んでいく、その間違った方向、というのがあんまりクリアじゃないんです。
エルロイの作品では、というより、サスペンスでは、誰が真犯人か、というのは分からないのが当然なんですが、「その代わりに誰が疑われているのか」みたいなのが、ちょっと中途半端なんですね。
その辺の、ミスリードのさせ方、というのが、微妙にズレてる気がします。
まったく何も分からないまま、どんどん被害者だけが増えていく(事件が進行していく、事態が深刻化していく)ということでもないんですね。
で、このさじ加減が、中途半端。
“エルロイ信者”には描写が物足りなくって、この手のエルロイ・ワールドに馴染みのない人には、なんかちょっと分かりにくいかも、という感じで。
話の筋は面白いんですけどねぇ。キャスティングとかも上手だし。
でもねー、という。
もうちょっと前フリの段階で“敵キャラ”をちゃんと描いた方が、最後の黒幕登場のところでもっとインパクト出せた思うんだけどなー、という。
せっかくコモン(Common)とかゲーム(The Game)とか、絶妙な配役が出来てるんだから、そこをもっと推せば良かったのに、と。(コモンもゲームも、有名なラッパーです。演技も上手でした)
まーでも、作品全体として全部ダメ、というワケでもなく、そこもなんだか中途半端な感じで。。。
でも、アレだね。
キアヌも老けたねぇ。
「スピード」では、LAPD(この作品と同じ)のSWAT隊員を演じてたワケですが。
もう15年も前だもんねぇ。
というワケで、個人的な期待度が高かっただけに「う~ん」という、そういう作品でした。
でわ。
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