NHKのドラマ「ハゲタカ」のディレクターさんのインタビューが新聞に載ってました。
大友啓史さん。
現在は、こちらも大人気の福山雅治主演の大河ドラマ「龍馬伝」の演出をしている、ということで、まぁ、最注目の才能、という感じでしょうか。
映像表現のすべての基本はリアリティー。
フィクションという大きなウソをつくには、画面に映る隅々まで、きちんと真面目に小さなウソを積み重ねないと。
福山さんと(吉田東洋役の)田中泯さんが同じ画面の中で芝居をすることにゾクゾクしていますが、お客さんが「田中泯すごい」と同時に、「福山もすごい」と反応しているのが分かります。普通の役者では出せない「真情」を福山さんが表すんです。
(「真情」とは)ウソのない感情と言ってもいいかもしれません。役者の演技に一番邪魔なのが、例えば「こう撮られたらカッコいい」といった自意識です。自意識から離れた、芝居と芝居の合間にふと見せる生の表情、手や指のしぐさも含めて醸し出すニュアンス、そういったものをどう拾えるかが演出の勝負だと思っています。
役者さんに「こっち向いて、あっち動いて、目線はここに」と決めておくテレビドラマのオーソドックスな「カット割り」の演出では、真情を拾うのは難しい。長いシーンになればなるほど、一連の長い演技の中で、本人も想定しない予想外の感情が生々しく出てきたりする。そこにリアリティーがある。演技を超え、福山雅治と龍馬が完全に重なっていく瞬間、というのでしょうか。
「役者の演技に一番邪魔なのが、自意識です」と。
ずばり、ですよね。
ところが、「自意識でパンパン」な人こそが、俳優=人に自分の姿を見せる、という職業を志す、という矛盾があって。
なかなかね、と。
まぁ、俺の話はいいですね。
「真情」。
それを拾っていくのが演出の勝負だ、と。
なるほどねぇ。
役者の「真情」を引き出すだけじゃダメなんですね。
それを、技術的に「どう拾えるか」と。
うん。
とか言いながら、「ハゲタカ」観たことないんです…。
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