2010年4月8日木曜日

「プレッジ」を観る

そういえば、この間TBSの深夜の映画で「プレッジ」を観たんだった、ということで、その感想でっす。


いやぁ、久々の作品レビューだ…。


書き方忘れちゃったなぁぁぁぁぁ。



えーっと…。



まず、監督はショーン・ペン、ですね。


まぁ、「監督としてのペン」という人物は、とにかく“人間のダークサイド”に踏み込んでいく、と。
これは、作品の中で登場させるキャラクターたちのダークサイドに踏み込んでいく、という意味と、同時に、受け手に対しても、かなり踏み込んでくるワケですよねぇ。

この人は、とにかく「善と悪にすっぱり二分されない」ということを語る人。

で、ポイントは、「世界は~」という語り口ではないところ。ソダーバーグの名作「トラフィック」なんかと違うのは、とにかく極私化していくワケですよねぇ。
「人間は、善と悪には二分化できないんだ」と。
「世界は~」じゃなくって、「人間は~」という話。


で、実は、この彼が掲げる“テーゼ”というのは、アメリカ(そして、ハリウッド)という地政学的な“特異点”じゃないと発動されない、という、なんていうか、すごく微妙な立ち位置にある、というか。
アンビバレント、というか、ね。


中学校や高校の校舎の中(つまり、モラトリアム)でしか発動しない“苦悩”や“正義感”や“悪の概念”があるのと同じように、ある種の「ナイーブさ」というのがあって。

なんつーか、うまく言えないんですが、「アメリカ社会」という只中にあって初めて輝くナイーブさ、というか。
まぁ、ヨーロッパなんかにいけば、ペンが抱える「作家としてのテーマ」は、そんなに珍しくもないし、強度もそんなにって感じで。

「マドンナの元旦那」であり、ハリウッドのゴリゴリのインサイダーであり反逆児でもある、という個性は、彼が“反逆”している「アメリカ社会」とセットになって初めて強度を持つ、と。


そんな感じですかねー。


「クロッシング・ガード」を観た時は、「ヤベーな、これ」なんて思ったモンでしたが。(いや、普通に名作ですけどね)


で。
今作、「プレッジ」。
「クロッシング・ガード」のジャック・ニコルソンと再び、という。

ちなみに、ロビン・ライト・ペンも出演してて、すげーいい味出してます。こういう役を、ここまで演じれる女優さんって、実は少ない。
実は、ロビン・ライト・ペンが演じるキャラクターって、出てくる時間って結構短いんです。
その短い中で、これだけの説得力というか存在感というか、グッと作品にエネルギーを加える好演じゃないかな、と。

もちろん、他の脇役陣もかなりいいですけどね。
特にいいのは、アーロン・エッカート。前半と最終盤の大事なトコをしっかり締めてて、いいです。



ストーリーは、とにかく導入部分で、“プロ意識”に欠ける警察官たちの描写が延々続く、と。
で、それに対して、あと数時間で退職が決まってる老刑事(ニコルソン)が、苦虫を噛み潰した例のあの顔で、「おいおいおい」と言いながら、被害者の家族に事件を告げに行く、という展開。

ここで、「神に誓え」という、“ひとりの人間”としての精神に訴えかけるような言葉を投げかける、と。


実は、この導入部分も、作品全体でもそうなんだけど、“手法”としては結構ベタな、というか、作劇法としては分かり易い感じで造られてるんです。

この、“ベタベタな演出”とか“ベタな比喩”とか“修辞”とか“トリック(ギミック)”を、てらいなくなく使う、というのが、ある意味では、監督としてのペンの個性(というか、強さ)だったりするのかな、と。

てらいなく、というか、恐れずに、というか。
ナイーブっちゃナイーブなんだけど、それでいいんだ、ということだと思うんですが。



明らかに冤罪っぽい容疑者、とか、高圧的な捜査官、とか。
ロビン・ライト・ペンが登場する所までは、ホントに、まぁ、これを“巧い”と言えば“巧い”ということなんだろうけど、なんつーか、「捻り方が分かり易い」というか。(意味分かります?)



そして、何よりポイントは、後味が悪すぎる結末。


「救いなんかねーんだ」と。


まぁ、批評的に観れば「こういうのホントに好きだよね」ということなるんでしょうが、しかし、このラストの数シークエンスこそが、(この作品においては)恐らくもっとも“力”を注いだ部分であり、そして、それは成功してますよね。

そういう、しびれるようなカットではあります。



もうちょっとだけ救われる結末でもいいような気もしますが…。
せめて、アーロン・エッカートが(黒いステーションワゴン、というのをキーにして)焼死体の正体に気づく、ぐらいの、ね。
そのくらいの“救い”はあっていいもいいじゃないかな、なんて。

まぁ、俺が言ってもしょうがないんですけど。




う~ん。




なんか、アレだなぁ~。


もうちょっと突っ込んだ“解釈”をした方がいいのかなぁ~。



例えば、被害者の少女の母親にさせられた“約束(プレッジ)”が、実は“呪い”で、それにとり憑かれちゃって、とか。

なんか適当に返事をしてしまった罰なんだ、とか。

そういう、「他人事扱い」に対する罰なんだ、とか、「薄っぺらい正義感」への罰なんだ、とか。
そういう、なんていうか、人間の“罪深さ”を描いた作品なんだ、とか。


違うかな…。




まぁ、そういう、とにかく「悩ませてくれる」作品ではありますね。
少なくとも、シンプルに結末を与えてくれる作品ではない。
でも、そこに価値がある、というか、ね。


多分、出演者のギャラを除けば、かなりのローバジェットな作品だろうしねー。




それから、ジャック・ニコルソンが、“精神病棟”を訪ねる、というシーンがあります。なかなか味わい深くて、いいカットでした。


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