2009年6月2日火曜日

「スーパーコップ90」を観る

午後のロードショーで(最近こればっかりだな…)、「スーパーコップ90」を観る。

タイトルからして、B級どころかC級以下な雰囲気が満点ですが、こういうのを日常的に消費できるのも、午後のロードショーのいいトコで。
最近、午後のロードショーばっかりですが。


この作品は、結構面白かった。
原題は「Rainbow Drive」ってことで、これは通りの名前ですね。「マルホランド・ドライブ」とおんなじ。
舞台はLA。

なんていうか、エルロイみたいだな、と。
エルロイの短編に出てきそうな話です。年代が全然違うんだけど。


ちなみに、調べたら原作はロデリック・ソープという人で、この人はなんと、「ダイ・ハード」の原作を書いてる人らしい。


主人公は刑事(殺人課)で、恋人(旦那持ち)との情事の間に、妙な感じで殺人事件に巻き込まれて、という冒頭からして、もういかにもエルロイっぽいし。


警察組織の、腐敗しているトップ周辺(もちろん、そういう場合、組織全体も半分以上腐ってるワケですが)、裏家業に手を染めている地元の企業化(つまり、半分マフィア)。
で、この両者が繋がってて。

で。組織の末端の1人である主人公は、真相を探ろうと動き始めるんだけど、当然、組織のトップ周辺から圧力がかかる。
主人公の同僚たちは、“上からの圧力”を理由に、「俺だって気持ちは同じだけど、だけど…」という具合。
その中で、事情を知っていた、親友でもあった同僚が殺されてしまい、その復讐という、新しい動機が掲示されて…。

その同僚の奥さんに会いに行く、同僚の家の前のシーンは、結構クールでしたね。
ワンカットの画なんですけど。
家の前の道路の歩道から、玄関に向かって歩いていって、呼び鈴を鳴らして(ノックだったかな?)、寝巻き姿の奥さんが出てくるんだけど、それは、自分の旦那が帰ってきたと思って玄関に出てくるんですね。
だけど、そこに立ってるのは、自分の旦那じゃなくって、その同僚で。
で、何も言わないで、そこに同僚が悲しい顔をして立ってるだけで、奥さんは自分の旦那が死んでしまったことを悟るワケです。
ここは、良かった。

で、その同僚は、過去に“事情”を知ってしまった為に、ある筋から札束を受け取っているんですね。
で、その札束が、ガレージに丸まる手付かずで残してあって。
それは、その同僚の、カネを受け取っていいものかどうか、という「良心の呵責」のことなワケで。
そのカネをどうするか、という、奥さんと主人公の会話も、グッとくる感じで。
この奥さんは、この2シーンだけしか出てこないんですけど。でも、それだけで、しっかりと、主人公に“動機”を与えてるワケです。
この辺は、巧い。


で、その同僚と親しかった、黒人の、もう1人の同僚っていうが出てきて。
この、仲間との心の交わし方の描き方っていうのは、エルロイとは全然違いますね。

まぁ、そんなこんなで、身内の警察組織と地元の犯罪組織を相手に、主人公が孤独に戦う、と。

ラストも良くって、FBIが居た、というオチで、この、司法組織同士の対立がある、というのもエルロイっぽい。
冒頭の事件の、市警本部と分署の殺人課との縄張り争いもそうだし、FBIとかDEAなんかの捜査と、主人公が果たそうとする“私刑”との目的の対立があって。


あ、あと、この時代の作品で、「留守番電話」が凄い出て来るんだよねぇ。
多分、この時代のハイテクってことだと思うんだけど。
盗聴器とか。

今だと携帯とかメールとか、そんな感覚なんでしょう、きっと。


それから、主人公の刑事役の俳優さんは、スリムでシャープで、カッコいいです。
「CSI:マイアミ」のカルーソさんも出てます。若い。



というワケで、こういうB級作品は、大好きですな。

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