2011年1月25日火曜日

ミクロコスモス

ちょっと前ですが、かなり衝撃的なニュースがありました。
http://www.asahi.com/science/update/0115/TKY201101150246.html
米カリフォルニア州の砂漠デスバレーの2万2千~3万4千年前の岩塩の中に、単細胞の微生物が生存しているのを、ニューヨーク州立大の研究チームが見つけた。これほど古い生物が生きた形で見つかったのは非常に珍しい。
この微生物は、掘り出された岩塩に閉じこめられた塩水滴の中で見つかった。栄養を与えて最大90日間培養したところ、900の試料のうち五つが成長した。そのDNAを調べたところ、古細菌と呼ばれる生物の仲間で、高い塩分濃度の環境を好む特徴を持っていることがわかった。
塩水滴に残っていた緑藻が栄養源になったり、体の形を小さな球状に変化させて「休眠モード」状態になったりしていたことで生き残れたらしい。

ヤバくないスか?
“休眠モード”とか、明らかに言葉のチョイスが狂ってますが、そういう、ボキャブラリーを狂わすぐらいの衝撃的な大発見だ、ということですからねぇ。

しかし、「岩塩の中に閉じ込められていた」って、凄いな。。。
栄養を与えたところ、生き返った、ということですからね…。




そういえば、最近、この手の細菌/微生物関連で面白いニュース(発見)が幾つかあったりしたので、ちょっとまとめておきます。
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120201000622通.html
通常の生物にとっては有毒なヒ素を生命活動の根幹となるDNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、米航空宇宙局(NASA)などの研究グループが発表した。
地球上の生物は主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の6元素でつくられており、これらは生命活動に不可欠と考えられている。だが、この細菌はリンをヒ素に換えても生きることができるという。
研究グループは米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に生息する「GFAJ1」という細菌に着目。
ヒ素が多くリンが少ない培養液で培養すると、リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、細胞数が6日間で20倍以上に増え、GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認した。


NASAが「重大発表をする」という前フリをしてかなり話題になったニュースですが、要するに「ヒ素の中でも生きることができる」と。
そういう生物がいる、というだけで、これはかなりの大ニュースなんだ、と。
そういうことなワケですが。

ちなみに、炭素の代わりにケイ素で構成された生物、というのは、ワリとSFの世界ではポピュラーで、まぁ、確か「2010」にも木星(か、土星)の衛星に棲息する生物が、という描写があった記憶があります。
もちろん、我らが弐瓶勉先生の「BLAME!」には、その名も「珪素生物」という敵キャラが登場します。(ちなみに、弐瓶氏の「BIOMEGA」では、冬眠状態の微生物が発見され、水を与えると再び活動し始める、というシークエンスがあります)



もうひとつ。
http://www.asahi.com/science/update/0125/TKY201101240556.html
「農業」をする粘菌が見つかったと、米ライス大学の研究チームが発表した。
エサとなる細菌が少なくなると、食べ尽くさずに一部を体に取り込んでから別の場所に移る。移動先で体内の細菌をまいて、新天地で細菌が増えるのを待って食べるという。
この粘菌は、「キイロタマホコリカビ」。
新天地を目指して移動する時には、それまでバラバラに動いていた数万の細胞が寄り集まって、ナメクジのような形になる。移動先で胞子をまいて繁殖するときに、胞子を包む袋の中に取り込んでいた細菌も一緒にばらまく。

いまいちピンとこないかもしれませんが、要するに、粘菌が、自分の餌となる細菌を、“栽培”して増やしてから食べる、と。
そういう話ですね。
これも相当ヤバい発見ですよねぇ。

農業というより、遊牧に近いですけど。

しかし、本来は食料である細菌を「いったん体内に取り込んでから別の場所に移動する」って、それだけでもかなり高度。
で、移動した先で、「自分の胞子と一緒に細菌もばらまく」と。
そして、その場所で「細菌が増えるのをまって、その細菌を食べる」と。

う~ん。

よくよく考えると、何段階もの高度なステップを踏んでるワケですよね。
「体内に取り込む」(全部食べない)
「良い場所に移動する」
「胞子と一緒に細菌をバラまく」
「細菌が増えるのを待つ」

なんつーか、粘菌に「時間の感覚」っていうのがあるのか、と。

まずここが疑問。
「待つ」っていうのは、そういうことですもんね。


あと、「残りが少ない」とか「十分増えた」とか、そういう、外部の状況(細菌がたくさんあるかないか)をどう認識してるか、という部分。


というか、「残り少ないから全部食べない」っていうのは、はっきり言って、相当知的なアレですよ。
だって、殆どの動物は、目の前の“餌”は全部食べますからね。

うん。
そう考えると、この「農業」はそうとうヤバいです。





というワケで、恐るべきミクロコスモスの話題でした。
でわ。

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