2010年7月5日月曜日

「スタートレック」を観る

リメイク版の、一番新しい「スタートレック」を観る。


う~ん。
「スタートレック」ってこういう感じでしたっけ?


いや、面白かったんですけどねぇ。



なんかなー、と。


とりあえず、「スタートレック」みたいな“艦隊もの”に関しては、個人的には「タイムスリップ」的な要素が入ってくるのは嫌いなんスよねぇ。
どっちかにして欲しい、というか。

宇宙空間という“三次元”の話だけにしてくんねーかな、と。タイムトラベルという要素が入ってくると、これが四次元とか、そういう話なワケですけど、それはそれでやって欲しい、というか。

あんま好きじゃないんですよねぇ。

「スタートレック」は、ディテールはあんまり覚えてないんですが、宇宙探査機ボイジャーが還ってくる、というエピソードがホントに好きで(アイデアとして凄くないっスか?)、そういう「時空の超え方」なら、もう大絶賛なワケですけど。


なんつーか、多分、「スタートレック」の“語り直し”ってことで、今までのすべてのエピソードを「パラレルワールド」とか、そういう形でひとつのアレに収めたい、みたいな狙いがあったと思うんですね。
それで、「書き換えられた未来(あるいは、過去)」ってことになってるんじゃないかと思うんですが。


ただ、肝心の、その「未来から来ている」という部分が、どうもはっきりと説明されない、という。
なんか良く分かんないんですよね。途中まで。

ブラックホールがタイムトンネルにもなってた、ということなら、これはこれで新機軸になり得たとは思うんですが、特にそういうワケでもなく。


そこら辺がねー。
どうも、ね。


「宇宙は最後のフロンティア」なワケです。
その、「荒野としての宇宙空間」なワケですよ。フロンティアとしての星間空間。異星人や天体現象や、単純に新しいタイプの惑星とかとの“未知との遭遇”も、そういう“前提”があるからこそ、「どうすりゃいいんだ?」みたいなドラマ(外交交渉か戦闘か、とか、ね)が成立してて、そこが魅力だったりするワケで。


そこら辺が、どうも大味、というか。
敵も、いきなり敵として登場するワケで。


しかも、困ったことに、この“敵”がめちゃめちゃカッコいい、という。
特に、この未来からやってきたという、敵のテクノロジーがすげーカッコいいんですよねぇ。宇宙船(採掘船だった、という設定)のデザインがとにかくカッコいい。


で。

この“敵”がいて、それが主人公の父親を殺していて、みたいな“因縁”がつながっていく、というストーリーは、結構緻密に作られていて、巧いなぁ、とは思ったんですが、スポックとカークとがそこで繋がっている、という伏線はいまいち回収されてない気が…。

個人的なカン違いでしょうか…。


カークとスポックが、ともに不全感を抱えながら育ち、という、とにかく“乗船する”までの話が妙に長いのも、個人的にはどうもな、と。
片方は、父親の不在に因る自己破滅的な衝動を抱えている、という描写。片方が、混血という出自によるアイデンティティーの確立不全を抱えている、ということで。
この両者が、「なんかどこかで繋がっている」みたいな展開になるかと思ったんですよねぇ。“痛み”を分かち合う、みたいな。

ところが、とにかくスポックはずっと悩みまくるんですが、主人公であるカークは、そういうことはない。
ただただ「更生した不良」として(みんな「更生した不良」が大好きなんだ、という“理論”があるんです。実際、好きでしょ?)、なんか知らない間に艦長として収まり、事態を収拾し打開していく。

繋がってればなぁ、なんて、ね。
せっかくリメイクするんだからさー、と。
2人が、最初は対立してるように描かれてても、結局は仲良く協力し合うんだ、ということは、もう前提として分かってるワケですから。
そこを、「どう仲直りするのか」みたいな話じゃないの、と。



それと、敵のテクノロジーはすげーカッコいいんですが、肝心の、宇宙艦隊側のテクノロジーがねー。
結構いい感じに作り込まれていて、いわゆる“リアル路線”ってヤツで、パイプやら配管やらの構造物や、単純に機器・計器の類も全部ちゃんと「そこにある」という描写がされていて、まぁ、手は込んでいるワケです。

ただ、もともと「スタートレック」って、“そうじゃない”トコに魅力があったりもしたワケです。
もともとはテレビシリーズで、それこそ技術的・予算的な制約・限界から、とにかく「なんにもない」艦内、というのが特徴だったんですね。
全部が隠れてる。ツルッとしてる。超キレイな艦内。
それは、テクノロジーがそうさせているんだ、ということになっていたワケです。
「転送室」なんて、ホントにだたの部屋だったりしてたワケですから。医務室だって、ただベッドが並んでいて、みたいな感じで。

そういう「スタートレック的価値観」みたいなのがあったワケですよ。
この価値観に対するアンチテーゼとして華々しく登場したのが「スターウォーズ」で、そこでの、マシンの“汚し”感がたまんない、ということだったワケですけど。
そこが、どうもね。

あと、なんか人が多すぎる。
テレビシリーズみたいに、もっと少人数で航行して欲しい。
いくら大規模な予算があるからって、そんなトコまでリアルにされると、ちょっと冷めるっていうか、ね。


そういうトコがねー。
カネの掛けかたが違う、というか。


あ。
キャスティングは、最高でした。
みんな、存在感あるし、イメージを壊さないでおきながら新しくもある、という、完璧に成功しているキャスティングと演技と演出だったと思います。


うん。



そういう、良い所があるからこそ、ね。
余計に。


まぁ、そういう、余計な期待感を抱かせてしまう、というのも、名作のリメイクの宿命だったりするワケで、そういう意味では、罪作りなリメイクですよね。



とか言いつつ、このリメイク版で新シリーズが製作されたりしたら、これはこれで、たまんない気持ちになるんでしょう。きっと。


そういう感じでした。


惜しいね。ホントに。そういう作品だと思います。


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