2009年10月30日金曜日

「アイガー・サンクション」を観る

午後のロードショーで、クリント・イーストウッド主演の「アイガー・サンクション」を観る。


クリント翁の、監督としては初期の頃の作品、ですね。

オープニングは、ひと目で“スイスの湖畔”と分かる場所で、なんかドラッグの取り引きみたいに見せかけたマイクロフィルムの受け渡し、という、緊張感たっぷりな感じで期待させるんだけど、という。
このシーンは、メランコリーな音楽が逆にサスペンス感を高めていて、合わせ方の妙ってことなんだろうけど、新鮮味を感じました。参考になった。


で。
その後は、プロットとかストーリーはなんだか適当だなぁ、という感じ。
ま、当時の作品って殆どこんな感じなんで、それはそれでいいんですけど(でも、実はちゃんと小説の原作がある作品なんですけどね)。


だいたい、主人公が、ハリー・キャラハンまんまの佇まいで「大学で美術を教えてる」って、もうそれだけで違和感ありまくりで、なおかつ“凄腕のスパイ”で、それでいて“一流の登山家”という、ワケの分からないスーパーマンぶり。
もちろん女にもモテまくりなんだけど、すぐ裏切られちゃうし、というトコも良く分からない。
“組織のボス”の設定も意味不明なんだけど、その“組織”にすげー頼られているワリには、仕掛けられる罠にいちいち全部ハマっていく主人公。
どうなんだ、それ、という。

1番のクライマックスなハズの「アイガー北壁」に登る、という動機がまず全然分かんないし。
別に一緒に登る必要ないし。


と、グダグダ文句言いつつも最後まで見ちゃったのは、たまにハッとするようなショットがあるからでした。
ああいうのは、なんつーか、勉強になるね。

具体的には、顔のアップとかバストショットとかの、真ん中からちょっとズレたトコに人を置いて、空間を取る、という、個人的にそういうのが凄い好きなのもあるんだけど、なるほどな、と。

そういえば「ペイルライダー」にも、そんな画がたくさんありました。
ちなみに、「ペイルライダー」は、この作品の10年後の作品。



“山岳シーン”は、特になにもないっスね。
こちとら、「植村直己物語」観てますから。(八王子に昔あった映画館に親父と2人きりで「植村直己物語」を観に行ったのは、俺の映画に関する原体験の一つでもあります。映画の下敷きを買ってもらって、それをかなり大切に使ってました)
氷壁滑落ぐらいじゃ、ピンときません。


あ、でも、アメリカの西部の渓谷の、垂直にそそり立つ岩山を登る、というシークエンスは良かった。あんな画は反則というか、むしろそこをメインに撮ればよかったのに…。



というワケで、(生意気言わせてもらうと)クリント翁にもこんな頃がありました、という作品でした。


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