2009年3月23日月曜日

「エンド・オブ・デイズ」を観る

シネマ・エキスプレスで、シュワルツェネッガー主演のゴシック風味のアクション作品「エンド・オブ・デイズ」を観る。


なにげに面白い作品でした。
というより、なんか使えそうなアイデアのヒントみたいなのが詰まってた作品だった、というか。

この作品自体は、普通のB級アクションなんですけどね。



舞台は、1999年のNY。ミレニアムを迎える“世紀の大晦日”ですね。いわゆる「世紀末思想」がネタになってます。
「地上に復活するサタンと交わる女性」という存在が、バチカンで、預言者(予言者)によって予言され、彼女を巡って、復活したサタンと人間たちが戦う、と。

面白いのは、「カルトとしてのキリスト教」が描かれている、というトコですね。
ま、ベタっちゃベタなんですけど。

で、そのカトリックの宗派内にも路線の対立があって、いわゆる実力行使容認派は、「予言された女性」を殺してしまうことで、サタンの企みを封じよう、と。もう一つが、殺人は教義で禁じられているワケだから、「予言された女性」を殺す事は出来ない、という。

この2つと、主人公のシュワルツェネッガーとの対立があるんですね。
シュワは無神論者ってことになってて。「『信仰』じゃ戦えない。俺は『拳銃』で戦う」みたいなことを言ってて。

それからもちろん、サタンとの戦いもあって。

つまり、主人公から見ると、敵が三ついる、と。

もちろん、この作品はアクション作品なんで、要するに敵がいればいいので、その辺は適当に処理されちゃっているんですが、これって、ちゃんと突っ込んで掘り下げていけば、かなり面白いテーマになり得ると思うんですよ。


この作品では、ラストに、なんとシュワが『信仰』に目覚めてしまったりしてますけど。
まぁ、サタンと「世界の存続」を巡って戦えば、当然そういうオチにはなりますかねぇ。
ちょっと拍子抜けしましたが、ただ、バラ色のハッピーエンドでもないので、そこは、エンターテイメントに徹するべきというアレから考えると、逆にイマイチかも。ちょっと苦味が強すぎるっていうか。


それから、気になったポイントがあって。
それは、「『神の家』にはサタンは入ってこれないハズだ」という台詞。神父さんが言うんですけど。
だけど、サタンは全然気にしないで、普通に教会(『神の家』)に侵入してくるんですね。

これって、ホンモノの信仰が伴ってないからだ、みたいなことなのかなぁ、と思ったんですよ。
作中では、そういうことは一切語られてないので、これは俺が勝手に後付けしたアレなんですけど。

どんなに立派な建物があっても、立派な神像が飾られても、豪華な装飾がされていても、“ホンモノの信仰”がそこに存在してなければ、それは『神の家』じゃないのだ、みたいな。だからサタンに易々と踏み込まれてしまう、と。

そこからさらに、この作品でも主人公が女性を連れて逃げ回るシークエンスがあるんですけど、例えば、追っ手から逃げる為に駆け込んだ廃屋みたいな建物が、実は違法移民たちの地下教会だった、とか。
地下教会っていうのは、要するに、表立って活動できない教会のことですね。

今でも、中国なんかでは、バチカンは非公認なんで、地下教会があるってことですし。ま、いわゆる「隠れキリシタン」みたいな話です。

宗派が非公認じゃなくっても、信者たちの方がイリーガルな場合(不法滞在移民とか)も、地下教会ってあり得る存在だと思うし。(この場合の地下教会っていうのは、こっちですね)


ま、あくまで、そういうのがあれば面白いな、という話でした。



作品のディテールとしては、とりあえず冒頭のシークエンスが良かったですね。ヘリが出てくるところ。
いきなり、信号の、交差点のど真ん中にヘリが降下してきて、主人公たちをピックアップして再び上昇していく、とか。結構すごい。
しかも、交差点には無理やり降りたのに、犯人が逃げているビルの屋上には「障害物が多くて降下できない」なんて言ってて。
「逆だろ!」と。交差点に降りれるならビルの屋上なんて簡単だろ、と。

で、ヘリと地上の落差を利用した、上下動のアクションシーンのあと、そのまま地下の、地下鉄の廃線(廃坑?)に降りていく、と。
この辺の感じは、良いな、と。


あとは、サブプレイヤーとして、「ユージュアル・サスペクツ」のコンビが出てて、そこもポイント高いっス。

それから、サタンの手下がどんどん増えていく、というのも面白い。ホントに、味方が全部、という感じでしたからねぇ。
ま、キョンシーとかゾンビものとか、そういうのに近い感覚ですかね。



ま、普通に、シュワが出てるだけでリアリティーが全然なくなるってトコが、この作品の一番の欠点かなぁ。
身体がデカ過ぎて。

「スピード」がインパクトあったのは、なにげに、キアヌ・リーブスの身体がスゲー普通だったからっていうもあると思うんですよね。シナリオが抜群に良かったのはもちろんなんだけど。
そういう、俳優の身体のリアリティって、凄い大事で。

ジャン・クロードもそうなんだけど、身体がデカ過ぎて、それは正真正銘のマジもんの肉体なんだけど、その筋肉の量がもう嘘臭い、という。「そんなヤツいねーから」って感じで。

ま、アクションスターですから、それで当然なんですけどね。

でも、筋肉が多すぎると、スピード感がなくなる事は間違いないよね。切れ味は。
映像的には、むしろこの切れ味とかスピード感の方が大事だったりするワケだしね。
ま、いいんですけど。



という感じです。
なにげに、アイデアをたくさんもらった作品でした、と。


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